【改訂版】2021年11月11日 シノドスと教区の優先課題の振り返りについて

2021年11月11日

新潟教区の皆様

 

シノドスと教区の優先課題の振り返りについて

 

 バチカンのシノドス代表司教会議事務局は5月21日に声明を発表し、2023年10月からバチカンでシノドス第16回通常総会を「ともに歩む教会のため-交わり、参加、そして宣教-」というテーマで開催すると発表しました。

 中央協議会のウェブサイトによると、「「シノドス」とは、「ともに歩む」という意味のギリシア語で、一定時に会合する司教たちの集会のことです。教皇と司教たちとの関係を深め、信仰および倫理の擁護と向上、規律の遵守と強化のための助言をもって教皇を補佐するために開かれます。またそこでは、世界における教会の活動に関する諸問題を研究します。」

 今回のシノドスの特徴は、「ともに旅する」シノドスだということです。2023年にバチカンで会議に参加する人々だけではなく、信徒、修道者、司祭が教区レベルで自らの経験を振り返ることにより、どのように交わりと、参加と、宣教を実践していくことができるのかをともに探る「旅」です。このために、今年の10月17日から来年の4月まで、世界中の教区でシノドスのテーマに関連した話し合いが行われ、その報告書が司教団でまとめられ、聖座に送られることになっています。

 ところで、新潟教区では4月に開催された宣教司牧評議会で教区における宣教司牧の方針についての話し合いが行われ、2012年の教区優先課題の振り返りと、新たな課題の検討が進められることになっていました。しかし、10月から始まるシノドスの各教区におけるプロセスと時期が重なることから、混乱を避けるためにもシノドスの振り返りと教区の優先課題の振り返りを一緒に行うこととしました。

 大切なのは、質問に答えるということではなく、どうしたらともに歩む教会として成長していくことができるのかをともに考え、歩みを進めることです。その意味で、このふり返りは質問に答えたらそれで終了なのではなく、むしろそこから始まる歩みだと言えるでしょう。

 シノドスのプロセス、そして、教区の優先課題へのこれまでの取り組みを振り返ることにより、新しい宣教司牧の方向性を模索していきましょう。

 ここにシノドスのための質問と、教区の優先課題についての質問をお送りしますので、各教会、修道院で話し合い、2022年3月22日までに教区事務局長(cancelnig@ne.ncv.jp)までEメールでお送りくださるようお願いします。この文書は教区のホームページにも掲載します。何らかの理由で、教会で意見を出すことが難しい方は、個人として直接教区事務局に回答を送っていただくことができます。なお、新潟教区においては、シノドスのプロセスを準備するために大瀧浩一神父様をシノドス担当者として任命いたしました。今回のシノドスのための質問と教区の優先課題についての質問に関して、ご不明な点がございましたら、教区本部事務局長大瀧浩一神父様まで、ご連絡ください。

カトリック新潟教区 司教
成井大介

シノドスに関する質問


 シノドス準備文書は、次のようにこの度のシノドスについて説明しています。

「第二バチカン公会議で提唱された教会の「刷新」を受けて行われるこの旅は、たまものでもあり、務めでもあります。それはつまり、ともに旅をし、これまでの旅をともに振り返ることで、教会はその経験を通して、どのようなプロセスが、交わりを生き、参加を実現し、宣教に自らを開くのに役立つかを学ぶことができるのです。わたしたちが「ともに旅をする」ということは、実際、巡礼し、宣教する神の民としての教会の性質を、もっとも効果的に実現し、明示するものとなるのです。」

 こうしたふり返りのため、バチカンのシノドス代表司教会議事務局は、一つの短い「基本となる質問」を投げかけています。そして、この質問に具体的に答えるために、10の質問が準備されています。時間が限られており、またコロナ禍で自由に集うことも難しい状況ですが、この10の質問について教会と修道院の共同体のメンバーで意見交換をし、意見をとりまとめて教区事務局に送ってくださるようお願いします。なお、共同体によっては答えるのが難しい質問もあると思います。いくつかの質問に絞って答えていただいても結構です。

 第二バチカン公会議のすべての会議は、Adsumus Sancte Spiritusという祈りで始まりました。ラテン語の最初の語は、「聖霊、わたしたちはあなたの前に立っています」という意味です。これは数百年にわたり、公会議、シノドス、他の教会会議で歴史的に用いられてきたもので、セビリアの聖イシドロス(560年頃—636年4月4日)によるとされています。わたしたちがこのシノドス的なプロセスを受け入れるにあたり、この祈りは聖霊がわたしたちのうちに働くようを招き、それによってわたしたちは恵みの共同体、恵みの民となるのです。以下は、Adsumus Sancte Spiritusの簡易版です。ふり返りを行う前、その他の祈りの時に唱えてください。


シノドスのための祈り Adsumus Sancte Spiritus
(聖霊よ、わたしたちはあなたの前に立っています)

聖霊よ、わたしたちはあなたの前に立ち、
あなたのみ名によって集います。
わたしたちのもとに来て、とどまり、
一人ひとりの心にお住まいください。
わたしたちに進むべき道を教え、
どのように歩めばよいか示してください
弱く、罪深いわたしたちが、
一致を乱さないよう支えてください。
無知によって誤った道に引き込まれず、
偏見に惑わされないよう導いてください
あなたのうちに一致を見いだすことができますように。
わたしたちが永遠のいのちへの旅を続け、
真理と正義の道を迷わずに歩むことができますように。
このすべてを、
いつどこにおいても働いておられるあなたに願います。
御父と御子の交わりの中で、世々とこしえに。
アーメン。

 

基本となる質問

ともに歩む教会は、福音を伝えるために、”ともに旅をします”。あなたの教会では現在、この「ともに旅をする」ことがどのように行われていますか?ともに旅をする中で成長するために、聖霊はどのような段階を踏むようにわたしたちを招いているでしょうか?

 

10の質問

1.一緒に歩んでいる人たち
教会と社会で、わたしたちは同じ道を並びながら歩いている
① わたしは(わたしたちは)一緒に歩んでいるでしょうか?
② わたしは(わたしたちは)誰と歩まなければいけないでしょうか?
③ 一緒に歩むことを怠っていたり、忘れていたり、見捨てている人たちはいませんか?
④ ともに歩むことができていないその人たちとは誰ですか?どうしてともに歩むことができないのでしょうか?
⑤ わたし(わたしたち)は一緒に歩んでもらっていますか?一緒に歩んでもらうためにはどうしたらいいと
  考えますか?

 

2.真剣に耳を傾ける
傾聴は最初のステップ。しかしそのためには、偏見なしの、開かれた精神と心が求められる
① 時としてわたしたちが知らない声を通して、神は語りかけています。わたしは(わたしたちは)
  誰に耳を傾けていますか?
② わたしが(わたしたちが)耳を傾けていない人がいますか?
  例:女性、若者、小さな人々、隣人、意見が異なる人、貧困者、周辺に追いやられている人、
  排除されている人、難民など。
③ どうしてそのような人々に耳を傾けることができていなのでしょうか?
④ どうしたらその人々に耳を傾けることができるでしょうか?
⑤ わたし(わたしたち)の声には耳を傾けてもらっていますか?
⑥ わたし(わたしたち)の声をどうしたら聴いてもらえると考えますか?

 

3.自分の考えをはっきり声に出す
すべての人は、勇気をもって、気兼ねなく(parrhesia)、つまり自由に、真実を(in truth)、愛を持って話すよう
招かれている
① わたし(わたしたち)は自分の信仰をはっきりと表明していますか?表明できていないとすれば、
  どうしてですか?
② 教会の中でも社会においても、勇気をもって、率直に、責任をもってはっきり述べる場や機会はありますか?
  ないとすれば、なぜでしょうか?
③ 福音宣教に役に立つ手段を積極的に利用していますか?
  例:印刷物、書籍、テレビ、ラジオ、SNS、インターネットなど。
④ 福音宣教についてのアイディアはありませんか?

 

4.典礼
「ともに歩む」ことは、ともにみことばに耳を傾け、感謝の祭儀を行うことに基づいている場合に、はじめて可能である
① ミサや典礼はわたし(わたしたち)やわたし(わたしたち)の生活を生かすものになっていますか?
  それはどうしてですか?
② それを生かすためにはどうしようと思いますか?
③ どのような参加の仕方がいいと思いますか?
④ わたし(わたしたち)は皆一緒に祈っていますか?
⑤ 朗読や祭壇の奉仕をするとき心がけていることは何でしょうか?

 

5.わたしたちの共通の使命(宣教)に対する共同責任
「ともに歩む」ことは、すべての人が参加するよう招かれている、教会の使命(宣教)に奉仕するためである
① すべてのキリスト者は福音宣教者であることを自覚しているでしょうか?
② 誰に対して福音を伝えようとしているでしょうか?あるいは、誰に対して伝えないといけませんか?
③ 宣教をなおざりにしている分野あるいは領域がありますか?
④ 信者が活発に宣教しようとすることを妨げるものは何でしょうか?
⑤ 福音宣教を誰かに任せっきりにしていませんか?ともに福音宣教を行おうとしていますか?
  どうしたらともに福音を伝えることができると考えますか?
⑥ どのような形ややり方(社会福祉、政治活動、科学的探究、教育、社会正義の促進、人権擁護、
  環境保全など)で福音を伝えていますか?あるいは、伝えようと思いますか?
⑦ 教会共同体は、さまざまな方法で社会に奉仕する信者をどのように支援しているでしょうか?

 

6.教会と社会における対話
対話のためには根気強さと忍耐を要する。しかし対話は相互の理解を可能にする
① 意見が違う人たち、違う信仰の人たちとも対話を行っていますか?彼らと対話をしよう、
  関わろうとしていますか?
② わたしたちの教会で何が対話の場や手段になっているでしょうか?
③ わたしたちは、近隣の教区、地域内の修道院、信徒の団体や運動体などとの協働をどのように推進している
  でしょうか?
④ 教会と社会の中で、わたしたちが特に注意を向けている問題は何でしょうか?
⑤ わたしたちは、ほかの諸宗教の信者や、特に宗教を信奉していない人々と、どのような対話や協働の体験を
  しているでしょうか?

⑥ 教会は、社会のほかの分野(政治、経済、文化、市民社会、貧困生活)の人々とどのように対話をし、何を
  学んでいるでしょうか?

 

7.エキュメニズム(教会一致)
洗礼によって一つに結ばれ、異なる信仰告白をするキリスト信者の間の対話は、シノドスに向かう歩みの中で特別な位置を占めている

① 特にカトリック以外のキリスト者とも祈り合い、分かち合い、ともに歩んでいますか?
② ともに歩むためにどうしようと思いますか?
③ ともに歩むことからどのような実りを得ているでしょうか?
④ 互いにともに前進するとき、次のステップをどのように踏めばいいでしょうか?

 

8.権威と参加
ともに歩む教会は、参加し、共同責任を担う教会である
① 自分たちの教区の目標を知っていますか?
② その目標のために具体的な協力ができていますか?どうしたらともに動けますか?
③ 会議で教会行事の実施担当者を決めるだけでなく、福音宣教のあり方についての分かち合いはなされています
  か?
④ わたしは自分の意見を述べていますか?わたしの意見は聴いてもらえていますか?
⑤ 信徒の奉仕と責任は、特に女性の場合、どのように促進されているでしょうか?
⑥ 教区の組織体(小教区評議会、宣教司牧評議会、司祭評議会など)は「ともに歩む」ように機能しているで
  しょうか?
⑦ 教会が「ともに歩む」ために、どのような参加やリーダーシップが望ましいでしょうか?
⑧ 教区のレベルで、「ともに歩む」という体験をしたことがありますか?

 

9.識別と決定
わたしたちは、「ともに歩む」仕方で、聖霊がわたしたちの共同体全体を通して言っていることを識別することによって意志決定をする
① 祈りと聖書朗読から会議を始め、みことばに従って会議を行い、行動に移しているでしょうか?
② 主がともにおられ、聖霊が導いておられることを意識しながら行動しているでしょうか?
③ わたしたちは、位階的な教会(教皇・司教・司祭・修道者・信徒)の中で、意志決定にどのように参加している
  でしょうか?
④ わたしたちの意志決定方法は、神の民全体に耳を傾けることから始めているでしょうか?
⑤ 意見をうかがうこと(諮問)と意志決定との関係はどうでしょうか?その関係をどのように実践しているでしょ
  うか?
⑥ わたしたちは、重大な事柄について透明性と説明義務を促進するためにどのような手段と手続きを用いているで
  しょうか?
⑦ 共同で霊的識別ができるようになるためにどうすればいいでしょうか?

 

10.「ともに歩む」中でわたしたち自身が養成される
「ともに歩む」ことは、人間およびキリスト者、家族、地域社会の変革、養成、そして生涯学習を受け入れることで もある
① 宣教・典礼・様々な問題・教会活動などにおいて、ともに歩むことを意識し実際に行動していくためにはどうし
  たらいいと考えますか?
② 識別を促し、「ともに歩む」方法で権威を行使することを推進するために、どのような養成が行われているでし
  ょうか?

 

教区の優先課題の振り返り


 教皇フランシスコは、使徒的勧告「福音の喜び」11項で次のように述べています。
 「わたしたちが原点に立ち返ろうとし、福音の本来の新鮮さを取り戻そうとするたびに、新しい手段が生み出され、現代世界にとって新たな意味を豊かに備えたことば、さまざまな表現形態、効果的なしるしなどの、創造的な方法が生み出されます。事実、あらゆる真の福音宣教は、つねに「新しい」のです。」
 福音-この、神がキリストの十字架の死と復活によって人々への愛を示してくださったという喜びの知らせは、常にわたしたちを新たにし、生きる喜びを与え、それを人々に知らせていくよう駆り立てます。神は、今を生きるわたしたちに、どのようにこの福音を生き、伝えていくよう招かれているのでしょうか。
 新潟教区では、2012年に教区設立100周年を迎えるにあたり、教区としての優先課題を改定し、今日に至るまで取り組んできました。しかしこの間、特に昨年始まったコロナ禍以降、社会は大きく変化しました。9年が経った今、これまでの優先課題への取り組みを振り返り、その活動を評価し、取り組むべき課題を見直すことが必要です。つきましては、次の段階を踏んで、皆様の経験と意見をもとに、新潟教区の宣教司牧の基本方針を作成していきたいと思います。

 

第1ステップ:

2022年3月22日

シノドスの質問への回答と、優先課題の振り返りを教区事務局にEメールで送付。

2022年4月下旬

宣教司牧評議会でシノドスの質問への答えのまとめを作成。

 

第2ステップ:

2022年3月、4月

司祭評議会、宣教司牧評議会でシノドスの質問と教区の優先課題のふり返りの回答について話し合い、宣教司牧方針作成のための話し合いのガイド作成のための意見交換。

2022年7月

宣教司牧方針作成のための話し合いのガイド作成。教区の優先課題振り返りのまとめとともに小教区、修道院へ送付。

2022年11月

小教区、修道院、地区にて宣教司牧方針について分かち合い、返答作成、教区事務局に送付。

 

第3ステップ:

2023年4月

返答をもとに教区で意見を集約。宣教司牧評議会は宣教司牧方針の答申を作成、司教に提出。

2023年6月

宣教司牧方針発表。


今回はまず、第1ステップである、2012年の優先課題をどのように実施してきたか振り返ります。

a.世代、国籍、文化の違いを乗り越え、喜びと思いやりにあふれた「わたしたちの教会」を育てる。
b.教区、地区、小教区において、お互いの情報を共有し交わりを深めることで、社会における教会の役割を自覚
   する。
c.継続した信仰養成を充実させ、社会の現実のうちで言葉と行いを通じて福音を証しする信仰者へと脱皮する。

 これら三つの優先課題に関連し、以下の質問について教会、修道院で分かち合いをし、意見をとりまとめてシノドスの質問への答えと一緒に教区事務局に送ってください

  • あなたの教会では、この三つの課題にどのように取り組んできましたか?
  • 取り組みによって、あなたの教会共同体にはどのような変化がありましたか?
  • 取り組みの中で、地域社会にどのような宣教、働きかけが行われましたか?
  • 取り組むことが難しかった点はありますか?
  • この9年の間に新たに見えてきた課題はあるでしょうか。

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