新潟教会 神の母聖マリアの祭日ミサ

令和6年能登半島地震で被災された方々に心よりお見舞い、お祈り申し上げます。

本日は神の母聖マリアのミサが新潟教会で行われ、ミサの後には茶話会が行われました。午後4時過ぎの地震は新潟市でもかなり揺れ、津波警報が出されてからは近隣の信徒の方々も信徒会館2階に避難してこられました。今のところ、新潟教区の教会で大きな被害が出たという情報はありません。信徒の皆様、互いの安否を確認し、また近隣の皆さんと協力して支え合って参りましょう。神の祝福と導きを祈ります。以下は、ミサの説教です。

皆さんにとって、2023年はどんな年でしたか?

新型コロナウイルス感染症の分類が変更され、社会でも、新潟教区の各教会でも通常の活動が再開しました。新潟教会でもミサ後のコーヒーの集いが始まり、これから交流が進むのが楽しみですね。しかし、多くの教会で、特にご高齢の方が3年の間に体調を崩し、教会で集うことが難しいという状態にあります。

自然災害は昨年も大きな被害をもたらしました。特に7月に秋田を襲った大雨は、聖霊高校、聖霊幼稚園、聖霊修道院に大きな被害をもたらし、聖霊高校は今も仮の電源や暖房で授業を行っています。皆様の継続的なお祈りをよろしくお願いします。

昨年は、イエスが生まれ、活動した地で大規模な戦闘が再開した年でもありました。教皇は、毎年行われる12月25日のウルビ・エト・オルビで、世界で困難に直面している人々のために祈ります。今年はイスラエル、パレスチナ、シリア、イエメン、レバノン、ウクライナ、アルメニア、アゼルバイジャン、スーダン、カメルーン、コンゴ民主共和国、南スーダン、朝鮮半島、アメリカ大陸の名前を挙げ、祈られました。今日、世界平和の日にあたり、わたしたちのこれらの人々、そして新潟教区で平和に生きることが困難な人々のために祈りたいと思います。

様々な困難に直面した2023年ではありましたが、新潟教区はその中で、宣教司牧方針の策定のための分かち合いを行いました。教会共同体の中について。宣教する教会について。そして、教会の内と外について、それぞれの教会がどのような課題に直面し、どのような取り組みをしているのか話し合ってきました。その結果が宣教司牧方針として実を結びました。10ページの、短い文章ですので、ぜひ冊子とカードを一人一部ずつお持ちくださり、何度も読み返していただけたらと思います。

また、2016年からの懸案であった、地区の再編成が今年4月1日付けで行われます。新潟教会は、下越地区に所属することになります。地区としての活動を活性化させるとともに、近隣教会との交わり、協力も深めていってくださればと思います。こうしたことが年頭書簡に書いてありますので、ぜひお持ちください。

さて、教会は1月1日に神の母聖マリアを祝います。この日はクリスマスから数えて8日目にあたり、クリスマス・オクターブと呼ばれる、主の降誕を特別に祝う8日間の締めくくりの日となっています。神の独り子を宿したマリアをこの日に祝うことは、主の降誕の意味を深めるのにふさわしいことだと思います。

マリアは、神の母としての役割を果たされました。生まれる前からそのために選ばれ、原罪の汚れなくこの世に生まれてきました。

天使ガブリエルは、受胎告知の時「おめでとう、恵まれた方」と呼びかけますね。皆さん、恵みって、どんなものでしょうか。

わたしたちは毎日のように、神の恵みを願って祈ります。あの人の上に豊かな恵みがありますように、とか。特に今日、一年の初めにあたって、今年一年、恵みにあふれた年でありますように。そうお祈りするでしょう。

恵みというと、自分の願いが叶うこと。わたしや、わたしの家族や大切な人にとって、よいことがあること。というようなイメージがあります。

マリアは、ガブリエルから告げられます。

「おめでとう、恵まれた方」「あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスを名付けなさい。その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。」「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる」。

このように言われたとき、マリアは、「ああ、自分は神の恵みをいただいている」と感じたでしょうかね。未婚の少女が、聖霊によってあなたは神の子を身ごもっていると言われて、それを恵みだと受け止めるでしょうか。

恵みとは、神のいつくしみ、神の愛に包まれること。そのいつくしみ、愛があらわされ、賜物となる。そして、神の賜物とは、イエス・キリストのことです。父なる神の独り子が、神の愛を、いつくしみを完全に表すものとして、わたしたちに与えられたのです。

恵みとは、自分の思ったとおりのことが起こることではありません。神の恵みは、多くの場合わたしたちが想像しない、計画しない、望まない形で与えられますが、神の独り子がわたしたちのために与えられたという、どんな困難、どんな危険、どんな絶望にも勝る、神の恵みの賜物をしっかりと受け止め、神に感謝したいと思います。

今日から始まる一年間、神の独り子によって神の愛といつくしみが示されたこと、その独り子がいつもわたしたちとともにいてくださるという恵みを日々の生活の中で深め、ともに歩んで参りましょう。