2022年 平和旬間メッセージ

2022年7月19日

2022年 平和旬間メッセージ

 

カトリック新潟教区の皆様

 

   「わたしは、平和をあなた方に残し、わたしの平和を与える。わたしはこれを、世が与えるように与えるのではない。」(ヨハネによる福音14章27節)

 日本の教会は、8月6日から15日までの期間を「日本カトリック平和旬間」と定めています。主の変容の祝日であり、広島に原爆が投下された日から、聖母の被昇天、終戦記念日までの10日の間、平和のために祈り、考え、話し合い、行動するよう招かれています。

 皆様は、今年の平和旬間をどのような心で迎えられるでしょうか。ロシアによるウクライナ侵攻が始まってからすでに5ヶ月が経とうとしています。その間、わたしたちは毎日伝えられる、人間の尊厳が踏みにじられ、被造物が破壊される現実に打ちのめされてきました。

 恐ろしいことに、「より強力な武器をより大量に持つことが平和を作り、平和を守ること」という理解が、戦争や紛争のまっただ中にある国だけでなく、世界中に浸透していっているように感じます。

 教皇フランシスコは、回勅『兄弟の皆さん』の中で、南アフリカの司教協議会の司牧文書を引用し、平和の構築について次のように教えています。

   真の和解は、「支配欲よりも他者への奉仕を基盤とする、新たな社会を形成することで」先取的に実現されます。「それぞれが身勝手に最大限の富を求める争奪戦ではなく、もっているものを他者と共有することを基盤とする社会です。家族であれ、国であれ、民族であれ、文化であれ、どんな小集団よりも、人類としてともにいることの価値が、間違いなく大切にされる社会です。」

 冒頭の聖書の箇所は、イエスが最後の晩餐で語った言葉です。イエスは、力によってではなく、特に弱い人を大切にし、自らのいのちを人々のために使うという、愛の行いによって世界に平和を与えられました。わたしたちも、人に脅威を与えるのではなく、愛に基づく人への奉仕、人との共有、人とともにいることを通して、平和を身近なところから広げていきましょう。

カトリック新潟教区
司教 パウロ 成井大介

 

2022年平和旬間メッセージ(PDF)