「性虐待被害者のための祈りと償いの日」について

2023年2月21日

カトリック新潟教区の皆様

「性虐待被害者のための祈りと償いの日」について

 日本の教会は、毎年四旬節の第2金曜日を「性虐待被害者のための祈りと償いの日」(以下、「祈りと償いの日」)と定めており、新潟教区ではその近くの日曜日にともに祈り、意識を深める取り組みを行ってきました。昨年、教区ハラスメント対応委員会はセクシャル・ハラスメントに関する意識調査を行い、280通の回答が寄せられ、その結果が今年1月の教区報に掲載されました。ご協力くださった方々に感謝いたします。この調査によると、残念ながら「祈りと償いの日」のことを知っている方が41%、「祈りと償いの日」のミサに参加したことのある方が35%となっています。今年は新潟教区のすべての小教区や修道院で「祈りと償いの日」のミサや祈りを捧げ、この問題についての意識を深めてくださるよう、強くお願いいたします。

 今年、新潟教区としては、以下の5点を実施していきたいと考えておりますので、各小教区、修道院での対応をお願いいたします。

1.「カトリック新潟教区ハラスメント防止宣言」を四旬節の間教会に掲示してください。

2.今年の「祈りと償いの日」3月10日直前、または直後の日曜日に、教皇の意向に従いすべての小教区と修道院でミサを捧げてください。なお、奉献文は「ゆるしの奉献文」を用いてください。そして、「カトリック新潟教区ハラスメント防止宣言」を一緒に唱えて下さい。

3.ミサの前後、または最中に教皇庁児童を守るための委員会作成の祈りを唱えてください。

4.ハラスメント相談窓口のカードが教会の誰もが手に取ることのできる場所に常時おいてあることを確認し、ミサのお知らせの時間にカードの紹介をしてください。

5.「祈りと償いの日」後の直近の小教区評議会で、別途お届けする意識調査結果概要を資料にして、小教区共同体としてこの課題にどのように取り組むことが可能かについて意見交換してください。

 教皇フランシスコは2021年の世界平和の日メッセージの中で次のように述べています。

 他の人々、とりわけもっとも弱い立場にある人に対して無関心でいようとする誘惑に負けないようにしましょう。目を背けるのに慣れないようにしましょう。そうではなく、「互いを受け入れ、互いをケアする兄弟姉妹から成る共同体を築く」ために、具体的な努力を日々、重ねていきましょう。

 一人ひとりが互いを尊重し、大切にする文化のことを、教皇フランシスコは「ケアの文化」と呼んでいます。わたしたち新潟教区の共同体が、無関心に陥ることなく、互いを大切にするケアの文化を生きることによって、福音の道を歩んでいけますように。

カトリック新潟教区 司教
パウロ 成井大介


「性虐待被害者のための祈りと償いの日」教皇の意向

1.教会のメンバーによって、また家庭や教育現場において行われた、子どもへの性虐待の罪について、神からのゆるしを願うこと。

2.これらの重大な犯罪が、教会のメンバーによって行われたことを公に認めること。

3.教会の権威者たちが、虐待の加害者を秘匿し、被害者の痛みを無視した罪について、神のゆるしを願うこと。

4.被害者のケアをする責任は、教会のメンバーとしてすべての人におよぶことを、皆が認識できるよう恵みを願うこと。

5.被害者とその家族のために神のいやしと支えを願い、教会がその人々の内的いやしと和解の歩みに有効に寄り添うことができるよう祈ること。

6.虐待の被害者から何らかの反応があった場合、特別な司牧的な配慮をもってすぐに応えるようにすること。

 

共同祈願例文(カトリック中央協議会 子どもと女性の権利擁護のためのデスクの祈り参照)

  • いつくしみの主である神よ、教会に集う私たちが、被害に遭われた方の痛みに寄り添い、共に癒しの道を歩めるよう導いてください。
  • 加害者が謙虚にその過ちを認め、被害に遭われた方とその家族に誠実に謝罪することができるよう、光と力をお与えください。
  • 仕えるために来られたキリストに従い、人々への奉仕の道を歩むことを選んだ聖職者たちが、その使命を全うすることができるよう導いてください。
  • 神の民である私たちが良心に目覚め、弱い立場におかれている子どもや大人を守り、連帯し、キリストの福音を告げる使命を全うすることができますように。
  • 司教、司祭、修道者、信徒すべてが、キリストに結ばれた共同体として、互いの尊敬のうちに歩んでいくことができますように。

性的虐待被害者のための祈り(教皇庁児童を守るための委員会 新潟教区試訳)

天の父よ、あなたは、あなたのすべての子どもたち、特に最も小さく弱い子どもたちを愛し、心にかけておられます。性的虐待を受け、信頼と純真の心を傷つけられてしまった、自分を守ることのできない多くの子どもと大人たちをあなたに委ねます。私たちが彼ら、彼女らの苦しみの叫びに耳を傾け、損なわれた多くの人生に寄り添い、責任ある行動を取っていくことができますように。

 被害を受けた方々が、仲間や家族からの理解と支えを受け、あなたの恵みによって傷が癒やされ、平安に生きることができますように。

 聖霊の交わりの中で、あなたとともに世々に生き、罪を除いて私たちと同じ弱さを身にまとわれた御子、私たちの主、イエス・キリストによって。アーメン。

 

「性虐待被害者のための祈りと償いの日」について(PDF)

2021 カトリック新潟教区ハラスメント防止宣言(PDF)

セクシャルハラスメント意識調査結果(PDF)