2022年 世界召命祈願の日にあたって

1964年、聖パウロ6世教皇は復活節第4主日を世界召命祈願の日と定めました。この日、新潟教会では、5月5日に司祭に叙階された岡秀太神父様の初ミサが行われます。新潟教区にとっては、まさに、召命について考え、祈るのにふさわしい日となりました。

さて、まだ公式な日本語訳ができていないのですが、教皇フランシスコは今年の世界召命祈願の日のメッセージで次のように述べています。

わたしたちが「召命」というとき、それは単に生活の形態をどれか一つ選ぶとか、自分の人生について特定の奉仕職に対し誓願を立てるとか、ある修道会や運動体、教会共同体のカリスマの道を進むということではありません。大事なのは、神の夢を、すなわちイエスが「すべての人を一つにしてください」(ヨハネ17・21)と父に祈る中で心に抱いた、兄弟愛というすばらしい計画を果たしていくということです。教会でいう召命はどれも、そして広い意味で社会での召命も、それらはすべて共通の目的に寄与するものです。つまり、聖霊だけが実現しうる、数多くの多様なたまもののハーモニーを、人々の間に響かせることです。愛で結ばれた人類という大家族は夢物語ではなく、それは神がわたしたちを創造された目的であるとあかしするため、司祭、奉献生活者、信徒は、ともに歩み働くのです。

教皇はこのように、召命が司祭、修道者だけでなく、すべての人への神の招きであり、また、ただ個人の生き方を決めるものではなく、共同体や社会、ひいてはすべての人が愛によって結ばれる生き方への招きだと教えています。「神の夢を実現する」ために呼ばれているって、素敵な表現ですね。わたしたちも、今の世界の中で、自分が、共同体が、社会が、そして人類全体として、どのように生きるよう招かれているのか考え、ともに行動していきたいと思います。

成井大介司教