復活の主日

素晴らしい快晴の新潟教会で復活の主日日中のミサが行われました。春の陽気の中、普段は様々な理由でミサに参加できない多くの人が参加することができました。神に感謝です。私は9:30と11:00のミサを担当。11:00のミサにはベトナム出身の方々が多く参加され、第2朗読はベトナム語で行われました。以下は説教です。

成井大介司教

主は復活し、私たちの間で生きておられます。

主のご復活おめでとうございます。

今日の福音朗読は、マグダラのマリアがイエスの墓に行く場面が読まれています。イエスが亡くなってすぐ安息日になったので、人々は急いでイエスをお墓に葬り、家に帰らなければなりませんでした。そして、安息日の間、丸一日お墓に行くことができませんでした。それで、マグダラのマリアはは安息日が終わってすぐ、夜明けとともにお墓に向かったのです。

考えてみてください。主と仰ぎ、すべてを捨てて従ってきた方がついに都エルサレムに入って、いよいよ指導者になると喜んでいたら捕まって殺されてしまった。せめてお墓をきちんとしたいのに、安息日でお墓に行くこともできない。家で安息日を過ごしているときのジレンマはどれほどだったでしょう。そして、安息日が開けて、まだ暗いうちに急いでお墓に行ったら、遺体が取り去られていました。どれほどのショックだったでしょう。

私はこの箇所を読んで、コロナ禍で自分の親の葬儀に出れず、埋葬にも立ち会えなかった世界の多くの人のことを思い浮かべました。そして、戦争で自分の家族の安否すらわからない人、家族の遺体がどこに葬られているのかすらわからない人たちのことを思い浮かべました。

皆さん、今日の福音の箇所では、マグダラのマリアも、二人の弟子も、イエスが復活したということにまだ気づいていません。それは、彼女たちが墓の中にイエスを探しているからです。彼女たちの頭の中には、イエスの死が重くのしかかっていて、死のことしか考えることができません。悲しみ、絶望、嘆きが心を埋め尽くしています。

今日の福音のすぐ後の箇所で、ペトロは家に引き返し、マグダラのマリアは墓の前で泣いています。やはり私は、戦争で苦しむ人のことを思い出します。そして、自分自身の心のことも思い出します。毎日ニュースやインターネットで戦争の情報を見ながら、ウクライナにいる友達のことを心配しています。ロシアにいる友達のことを心配します。南スーダンにいる友達のことを心配します。なぜだ。もう止めろ。と心の中で叫んでいます。心の中で泣いています。

マグダラのマリアが泣いていると、そこにイエスが現れるんですね。考えてみてください。マグダラのマリアは、墓に、死んだイエスを見つけに行くんです。そうしたら、生きているイエスが、墓の外で、マリアに声をかけるのです。マリアは最初、それが誰だかわかりませんでした。でも、イエスが「マリア」と声をかけた瞬間、イエスだと気がつくわけです。

皆さん、死や、悲しみや、嘆きばかりを探していませんか?お墓の中ばかりで探し物をしていませんか?イエスはそこにはいません。イエスは、生きていて、わたしたちの間に、今、おられます。そして、わたしたちを復活のいのちの交わりに招き入れています。

わたしたちは、終末の時に、イエスの死と復活にあずかって、同じ復活のいのちを与えられます。しかし、復活のいのちは終末の時にだけ意味があるようなものではありません。わたしたちはすでに、洗礼によってキリストのいのちに新たに生まれ、今、キリストのいのちを生きているからです。

復活したイエスは、様々な場面で弟子たちに現れました。家の中に閉じこもっているとき。空の墓の前で泣いているとき。湖で漁をしているとき。エマオに向かって旅をしているとき。周りの人が信じても、自分は信じないと意固地になっているとき。

そういう弟子たちにイエスは、名前で呼びかけ、朝ご飯を準備し、旅を供にして語り、食事をします。穴のあいた手を見せます。痛みも、苦しみも現実のものです。逃げたことも、裏切ったことも、決して消え去るわけではありません。しかし、イエスは、それを何もとがめず、言うのです。「あなた方に平和があるように」。

皆さん、イエスは、日常の生活の中で、わたしたちに語りかけるのです。ミサの中はもちろん、ご飯を食べているとき、苦しいとき、道を歩くとき、失敗して家に閉じこもっているとき、もう神から離れてしまいたいとき、イエスはそこにいて、わたしたちの弱さを全部受け止めて、穴のあいた手で私の手を取って、「あなたに平和があるように」と言われるのです。キリストは、今も、いつも、世々に生きておられ、わたしたちとともにいてくださるのです。死も、嘆きも、絶望も、復活のいのちと、愛に打ち勝つことはできません。このことに信頼して、墓の中で死と嘆きを探すのでなく、日常生活の中で復活の主と出会い、喜びと希望を持って歩みを続けていきましょう。