聖母の被昇天

新潟教区の皆様、聖母の被昇天の祭日おめでとうございます。

新潟教会では午前10時からミサが行われ、救いの初穂となりすべての人に希望を与えてくださった聖母マリアに感謝しました。そして、終戦記念日にあたり、先の大戦で非人間的な扱いを強いられ、また亡くなられたすべての人に神のいつくしみを祈り、同時に今、この瞬間暴力にさらされている多くの人々を思い、平和の元后である聖母の取り次ぎによりわたしたちが平和な社会を実現していく事ができるよう祈りを捧げました。また、8月15日は前教区長である菊地功大司教様の霊名の祝い日でもあります。重責を担われる菊地大司教様の上に神の祝福をお祈りしました。

ところで、ミサの説教の冒頭でもお話ししたのですが、WYDの本大会がリスボンで行われる前に、コインブラ教区でホームステイをする機会をいただきました。ホストファミリーの方が大変良くして下さり、見所だらけのコインブラの町を案内していただいたのですが、その時旧市街地の目抜き通りに建つ家の壁にはめ込まれていたタイルの聖画を紹介してくださいました。その聖画は、十字架上のイエスとその下に立つ聖母マリア、地面の下には煉獄の炎に苦しむ人が上を見上げているというものです。その聖画の下には「P.N.A.V….」と続くローマ字が書かれていて、ホストファミリーの説明によると、この道を通る人に、煉獄で苦しむ魂のため主の祈り(Pater Noster)とアヴェマリアの祈り(Ave Maria)を唱えるよう促す聖画なのだそうです。数世紀にわたり、道行く人に祈りを促してきた聖画。死者の救いのために足を止めてイエスとマリアに祈る人々。今日、聖母の被昇天の祭日、終戦記念日、またお盆という日本特有の8月15日に当たって、救いの初穂となられた聖母マリアの取り次ぎを求め、死者のために祈る事の大切さ、また日常の生活の中で祈りを捧げる事の大切さを思ったのでした。

成井大介司教